おなかが張ったりシクシク痛むのは

おなかのわきのほうが痛い。膨満感があり、スッキリしない。スカートがきつくなったなどでお困りの時には

そもそも女性は、プロゲステロンの働きで、生理前はからだがむくみやすく、血液の循環も滞りがち。骨盤内でも、おなかの張りや痛みが起こりやすくなっています。この時期に、長時間座ったままで血流が悪くなったり、水分をとり過ぎて冷えたり、疲れやストレスで交感神経が過緊張の状態になると、症状が強くなってしまいます。

　加齢によっても、胃腸の機能は衰えていきます。そのうえ、冷えや疲れ、ストレスなどが重なると、胃腸の働きはさらに悪くなります。前は平気だったのに、冷たいものを食べたり水分をたくさんとると胃腸の調子が悪くなったり、食事の量も減ってきた……と感じる人も多いようです。
　胃腸の機能が低下すると、消化吸収されない食べ物が腸内に残り、ガスが発生。腸全体がむくむことで、張りや痛みを感じるようになります。

まずは動きを止めた胃腸が目覚めることが大事。冷たいものや油っこいものは避け、消化のよい食事を少しずつ頻回にとるようにしましょう。少量をゆっくり、よくかんで食べることを意識します。あわてて食べると空気もいっしよに飲み込み、それが原因でおなかが張ってしまうことも。

普段食べているものや、消化にょいとされているものによってアレルギー（遅延型）を起こしていることもあります。気になる場合は遅延型食物アレルギー検査を受け、IgG（免疫グロブリン）値が上昇している食物は、頻度を落としたり、ひどい場合は３～６ヵ月中止するとともに、腸の修復サプリメントをとるようにしましょう。

座りっぱなしで仕事をすると、下肢の血流が阻害され血行も悪くなり、おなかが張りやすくなります。プレ更年期には腸が下降し、骨盤底筋も弱化してきます。毎日の生活に、ウォーキングやストレッチなど簡単な運動を取り入れて血行をよくし、体力アップやストレス解消をめざしましよう。

うつぶせになり、からだ全体をゆらゆら揺らすストレッチを毎日行うと、側腹部が伸び、下降した腸も正しい位置に戻ってきます。

歩くときは歩幅を広げ、背筋を伸ばし、早足で。少し大またで歩けば、脚の付け根や、太ももが伸びます。普段使わない筋肉を使うため血流がよくなリ。ダイエット効果も。大殿筋や大腿四頭筋は大きいので、スクワットなどで下半身を動かすと、さらに血行が促進されます。

呼吸法など、普段の姿勢や行動も見直してみましょう。しっかり長く吐いてから吸う深呼吸には、自律神経を刺激し、胃腸の働きや血流を整える効果があります。

からだを冷やさないよう工夫したり、入浴後にマッサージを行うのもおすすめ。

アロマオイルなどを利用し時計回りにおなかをもみほぐします。慢性化しやすい腸の不調には、漢方薬を試してみるのも手。からだ全体の疲れや血行の悪さを改善します。からだを温め、緊張をほぐす桂枝加勺薬湯（けいしかしゃくやくとう）や大建中湯（だいけんちゅうとう）などが、体質に合わせて使われます。
　

月経周期にともなう痛みなら、婦人科に相談しましょう。ホルモンバランスを安定させる低用量ピルが効果的なこともあります。